ほんもんぶつりゅうしゅう

2020-08-20 10:58

8月20日の隆宣寺日記

何事でもそうですが、何かに取り組む時には「姿勢」が重要です。そして「姿勢」には《体》の姿勢《心》の姿勢と2つあります。ちなみに、仏教には「色心不二(しきしんふに)」という教えがあり《体》と《心》は本来的に1つであり、常に影響を与っていると教えます。つまり、心身ともに姿勢を正すことが、取り組みの質を高めるポイントとなります。

 

特に、初心者にとって大切なのは《体》の姿勢です。基本の形、フォームを体で覚えることで、正しく取り組めるようになります。野球の素振りや投球練習、筆で字を書く、楽器を演奏するなど、いずれの教則本でも、まずは具体的な練習に入る前に「姿勢」の話から始まります。視線が定まらない、姿勢が曲がっている…これではどんなに練習しても身になりません。むしろ、変なクセがついてしまい、我流を通そうとしたり、失敗・怪我の原因になります。

 

どの分野でも一流の人は、背筋がピンッとしていて、その分しっかりと呼吸ができます。よって、ハキハキとしていて、視線もピシッと一点に定まっています。その所作振舞いは美しく、キレがあり、素人でも一流であることがわかります。当然、そういう人は《心》の姿勢も整っていて、しっかりと集中できています。どこか上の空で、心ここにあらず…そういう人は必ずその姿勢が《体》の姿勢にも出ます。

 

残念ながら、まず《心》から整えようとすると、なかなか上手くいきません。もちろん《心》が整うことで《体》は整う側面もあるのですが、とにかく《心》は目に見えませんし、掴み所がありません。自分で把握できているようで、できていませんし、コントロールできているようで、できていません。それを自分自身で把握して、コントロールして直接、姿勢を整えようとするのは至難のワザです。

 

だからこそ、まずは誰もが目で見て、耳で聞いてわかる、五感で感じ取れる《体》の姿勢から始める。これは「できる・できない」の話ではなく「やる・やらない」「する・しない」の話です。正しい形・フォームをお手本にして、やればやっただけ必ず体が覚えていきます。でも、これは「正しい形・フォーム」を強く意識をして取り組まないと、ルーティンになればなるほど、惰性に流れ、我流が出て、姿勢が乱れていきます。もちろん、それが《心》の姿勢を乱していく原因になることは言うまでもありません。

 

そう思うと、長年やってきた人にとってはバカバカしく感じるかもしれませんが、初心者が最初に取り組むような基本練習や掛け声、指差し点検などをコツコツと続けることが《心》の姿勢を正して、安定化させるためには、実に有効的だと言えます。事実、一流と呼ばれる人達のほとんどが、そういったルーティンを持っておられます。むしろ、そこが一流になれる人と、なれない人との差なのかもしれませんね。是非、今一番「姿勢」について再確認してみませんか?

 

ちなみに「色心不二(しきしんふに)」については8月23日(日)14時から奉修される「第8回補講」において詳しくお話をさせていただく予定にしています!YouTubeでもライブ配信をしますので興味のある方は是非ご視聴ください♪

 

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