ほんもんぶつりゅうしゅう

2020-11-18 10:01

11月18日の隆宣寺日記

「心ここに在らざれば、視れども見えず、聴けども聞こえず、食らえどもその味を知らず。」

【意味】

目の前のことに集中できていないと、目で見ているはずなのに、ちゃんと見えていない。聞いているはずのことが聞こえていない、食べている物の味がちゃんとわからない。

 

これは儒教の『大学』という書物の中で説かれている言葉で、日本でも古くから引用されています。たとえば、仕事に集中できていない人を見て「○○さん《心ここにあらず》やな〜」と使ったりします。

 

私達は目・耳・鼻・口・肌などを通じて色んな情報を感じ取る訳ですが、必ずしも「目・耳・鼻・口・肌」という《五感》だけがで全てではありません。私達には《第六感》というものがあり、五感と同時に「心」でも感じ取っているのです。なので、その「心」が他のことに奪われてしまい、目の前のことに集中できていないと、五感で感じ取っているはずのことが、しっかりと感じ取れない、認識できない状態となるのです。

 

ちなみに、私は文章を書くときは必ず「静かな状況」を整えるようにしています。自分でも「神経質だな」と思いますが、音楽やテレビ音、生活音ですら気になるので、家内から話しかけられても、急ぎの用事でない限りは、後で聞くことにしています。反対に、そんな「静かな状況」だと落ち着かない、集中できない人もあると思いますが。いずれにしても、大切なことは集中できるように「状況・環境を整える」ということです。

 

仕事、勉強、スポーツ、家事、そしてご信心など、どのような場合でも言えることですが、今から取り組もうとしている物事の「手段・方法」が、どんなに素晴らしくても、その場の「状況・環境」が整っていないと、思い通りの成果にはつながりません。より集中できる状況・環境が整えば「目・耳・鼻・口・肌」の《五感》も研ぎ澄まされます。そうすれば、自然とミスやムダは無くなっていき、完成度も高まり、より大きな成果が生まれます。

 

もちろん、その場の状況・環境を自分で整えることも大切ですが、社長、上司、先輩、先生、親など、人の上に立つ方々は、社員、部下、後輩、生徒、子供などが目の前のことに集中して取り組めるように、その状況・環境を整えようとする配慮が必要です。素晴らしい「手段・方法」も大切ですが、それらを生かすのも殺すのも「状況・環境」と言えます。パフォーマンスを良くするために、まだまだ出来ることがある!是非、そういう視点を大切に♪

 

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