ほんもんぶつりゅうしゅう

2020-11-21 09:44

11月21日の隆宣寺日記

仏教を最もシンプルに表現すると「因果の道理」です。《原因》があるから【結果】が導き出される、【結果】が導き出されるのには《原因》がある。つまり、全ての出来事には必ず理由があり、何の理由も無いのに物事は起きないということです。そのことを「因果応報」とか「自業自得」と言います。

 

もちろん、善い原因には善い結果があり、悪い原因には悪い結果があります。これはリンゴの種を植えれば、リンゴの花が咲き、リンゴの実がなるのと同じ理屈で、リンゴの種を植えたのに、ミカンの花が咲いたり、ブドウの実がなることはありません。この話を聞いて「理屈」として成立しているのは理解できても、納得できない人は多いものです。

 

たとえば、そんなに善いこともしてない人、むしろ悪いことをチョイチョイやってる人が、なぜか強運の持ち主で何かと人生うまくいく、災難からは逃れ、幸運が訪れる。反対に、いつもコツコツ努力していて、世のため人のために頑張っている人が、なぜか不運で、何かと災難に遭い、報われない人生を送っているように見える。

 

実際、こういうことが起きていると「因果の道理と合わないじゃないか!」となります。でも、それは「今」だけを見ているので、そういう疑い、迷いが生じてしまうのです。仏教は過去・現在・未来の時間軸が基本なので、因果の道理も過去・現在・未来にわたります。つまり、私達の人生も「今」だけが全てではなくて「前世」と「来世」を含んでいるのです。

 

前世での《原因》が現在の人生に【結果】としてあらわれることもあれば、現在の《原因》が来世に【結果】としてあらわれることもある、それが「因果の道理」。なので、人生の「今」だけを見て、その《原因》と【結果】を繋ぎ合わせようとすると、どうしても、つじつまが合わなくなり、「こんなのおかしい!納得がいかない!」となります。

 

よって、仏教では「現在の状況(結果)を見て、前世(過去)の自分に思いを馳せよ」「現在の生き方(原因)を見て、来世(未来)の自分に思いを馳せよ」と教えます。そして、過去の自分を清算して、これからの自分を良くしていくための方法を教えます。目の前のことだけに惑わされずに、正しく見聞きして明るい人生を築く、それが仏教です♪

 

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