ほんもんぶつりゅうしゅう

2021-05-17 10:17

5月17日の「毎日ぶっきょう」

あらゆる物事は必ず《理論》と《実践》によって成り立っているものです。理論抜きで「何となく」実践するのも1つですが、それではなかなか的を射ません。世の中には理論として完成しているものが無数あり、それはどの分野でも同じです。ただ、その理論も実践してこそ有益な訳で、実践がなければ「宝の持ち腐れ」となります。つまり《理論》と《実践》は車の両輪のように、2つが揃ってこそ成果を生み出すのです。

 

そう考えた時に、世の中には下記の通り4パターンの人がいると言えます。

①多くの理論、多くの実践

②多くの理論、少ない実践

③少ない理論、多くの実践

④少ない理論、少ない実践

 

もちろん【①多くの理論、多くの実践】こそが最も有益で、私達の目標とするところですが、得てして【②多くの理論、少ない実践】か【③少ない理論、多くの実践】のタイプになりがちです。【②多くの理論、少ない実践】は「もうちょっと頑張ってくれたらなぁ…」と物足りなさを感じられ、【③少ない理論、多くの実践】は「頑張りは結構なんだけれども、ちょっとなぁ…」となりがちです。そして【④少ない理論、少ない実践】は少数派だと思いますが、残念ながら一定数いらっしゃいます。

 

志摩観光ホテル元総料理長・総支配人の高橋忠之氏は「料理」について、こう述べておられます。

「料理は学問であり、芸術であり、サイエンスだと思っているんです。学問は知識の集積であり、芸術は技術完成の練磨です。それに基づき、温度と時間と分量を正確に測る力を持っていれば世界共通のフランス料理はほとんどできます。冷蔵庫から出てきた食材を組み合わせてみたら、意外と違う味ができたといって、それを創作料理なんて言うのは論外です。確実に、サイエンス的にやらないと。」

 

さらに、そんな高橋氏だからこその言葉がこちらです。

「だから私が一番嫌いなのは『料理は愛情だ、心だ』 ってやつです。愛情や心では料理はつくれない。カラオケと同じですよ。心を込めて一所懸命歌った下手な歌、最後まで聞けないでしょう。うまい料理をつくるには素材に対する知識と、いい道具です。いいビフテキは、いい肉といいフライパン。いい刺身は、いい魚を選ぶ目と確かな技術、そして包丁です。愛情で刺身は切れません。心でビフテキは焼けないのです。」

 

こんな言葉を聞いて、気分を害される方もあるかもしれませんが、これは紛れもない事実なのです。もちろん、奥さんが作ってくれた料理なら、その愛情を含めて「美味しいね」「ありがとう」となりますが、時間とお金を出して食べに行ったレストランで「心を込めて作りました」とシェフから言われたたとしても、出されたものが「料理」として美味しくなかったら、レストランとしては成り立たない話になってしまいます。だからこそ、どんな分野であったとしても成果を出すためには、正しい理論と正しい実践の双方が必要なのです。

 

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