ほんもんぶつりゅうしゅう
2016年05月25日
ロサンゼルス講有巡教、大成功を収める
現講有・山内日開上人の最後の海外巡教の舞台はアメリカ・ロサンゼルス。透き通る空に包まれ、コバルトブルーの海が眼前に広がるこの街は、ニューヨークに次ぐこの国の大都市である。この地に、佛立宗がご弘通の息吹を吹きかけたのはかれこれ35年ほど前。当初よりアメリカでの佛立信徒のよりどころとして存在していた『ロサンゼルス組親会場』に加え、今後のアメリカ弘通の発展を目標に、近年新たに『正法教会』が建立された。両会場が今後の異体同心を誓い、アメリカ弘通の基盤をこのロサンゼルスの地に確立すべく、この度講有巡教を奉修することになったのだ。山内日開上人の最後の晴れ舞台でもあるこの度の講有巡教、これまでのロサンゼルス巡教で最大となる120名のご参詣で、大成功を収める形となった。


〔5/20(金)日本→ロサンゼルス〕

日本時間の午後1時15分、本山本堂にて講有上人ご唱導のもと、この度のロサンゼルス巡教道中安全、無事ご奉公成就を祈願してのお看経。講有上人は大勢の信徒のお見送りの中、関西国際空港へと出発された。

その後講有上人は17:25発の航空機でロサンゼルスへご出発、10時間20分のフライトを経て現地時間5/20(金)11:45に無事ロサンゼルス国際空港にご到着された。


〔5/21(土)ロサンゼルス組親会場、ならびに正法教会へのお助行〕

この日、講有上人はロサンゼルス組親会場と正法教会にご参詣され、両会場の今後のご弘通発展を祈り、お助行を勤められた。

まず先に訪れたのはロサンゼルス組親会場。この度北海道から随伴して参詣された多くの教務・信徒とともに、熱気あふれるお看経をいただかれた。お看経の後、講有上人は親会場所属信徒へ教化・育成の大事をご指導・お折伏された。「佛立信心は菩薩作り、人づくりにある。自分だけが御題目を唱えて、ご利益をいただいて終わってはいけない。家族や周りの人々にも勧めて、周りの人をも救うことが大事。人を救う菩薩、人づくりが佛立信心である。アメリカでのご弘通が発展するようにご奉公させていただきなさい」とのお言葉を頂戴した。お助行の最後には親会場の家屋を背景に、皆で記念写真を撮影。すぐさま次の正法教会へと出発した。

正法教会においてもお助行のお看経の後、講有上人は「菩薩作り、人づくりに努めて、ロサンゼルス組親会場と共にアメリカでのご弘通発展の基盤を確立するように」とのお折伏をされた。お助行後、先ほどと同様に参詣者一同で記念撮影。その後昼食会場へ移動し、正法教会による御供養を頂戴した。ヨットハーバーと青い海を背景にしたレストランでは、講有上人を始めとした日本からの参詣教務と現地のご信者との間で和気藹々とした意見交換がなされ、互いの信心にプラスになるとても有意義な時間が流れていった。


〔5/22(日) 三祖御会式〕

この日は、この度の講有巡教においてメインイベントとなる『三祖御会式(日蓮・日隆・日扇の三祖聖人への大恩報謝御会式)』が、講有上人御親修のもと盛大に奉修された。御会式の会場となったのはトーランスにある「ハイブリッド都ホテル」。米国本門佛立宗が願主となり、今後のアメリカ弘通に大きな勢いを与えるべく大勢のご信者が参詣した。

午前10時30分に始まった法要では、まず講有上人が日本語でご祈願等を言上された後、続いて福岡日雙師が英語に翻訳して言上。その後現地の信徒と日本からの団参者が一同に、今後のアメリカ弘通発展を祈るべく、熱気溢れる御題目の口唱をおこなった。途中、式典では本庁随伴・弘通局局長の植田日事師からの挨拶につづき、米国教区担任の田村泰明師、ロサンゼルス組信徒代表と正法教会信徒代表の三者が、今後の「異体同心、弘通広宣のお誓いの言葉」を御宝前、講有上人の御前にて唱和した。

法要の最後は講有上人の御法門。「信心は唱ふるにありよるひるに 功徳つみてぞ御利益となる」の開導聖人御教歌をいただかれ、「今後アメリカ弘通の基盤を確立するためには、今一度自らの信心を見つめ直しなさい。遠きところへ出でたつにもまずは初めの一歩からはじまり、高くそびえ立つ山も麓の塵や泥がその基盤を成す。一滴一滴の雨の雫に力はなくともそれらはいずれ石に穴をもあける大きな力となる。お祖師さまから頂いた御題目口唱のご信心、それを日夜に怠らず徹底し、功徳を積みかさね、それで初めてご弘通という大願が叶うのである。それを日夜に楽しみとして、しっかりと地に足のついたご奉公に励みなさい」とご教導くださった。

法要終了後には御宝前を背景に皆で記念撮影。同会場をそのまま御供養会場とし、田村師より当日ご参詣の米国教区信徒の紹介、米国教区より講有上人への記念品の謹呈、信徒同士の歓談など、終始なごやかなひと時を過ごした。

夕食は別の場所で再び正法教会のご供養。講有上人ご一行、有縁のお教務方、正法教会信徒による交流が図られた。


〔5/24(火) ロサンゼルス→日本〕

ご奉公に追われる短い滞在期間ではあったが、講有上人は無事にすべての日程を終えられ、15:45、ロサンゼルス空港をご出発、帰国の途につかれた。


今回のご奉公において特記すべきことがある。ロサンゼルス信徒へのお助行席で、講有上人からのお折伏の言葉についてである。講有上人は教化、育成の大事をお話しする時に「菩薩作り、人づくり」と仰せになった。ご利益をいただき苦しみから乗り越えられた、ご信心の有難さがわかった、というのは通過点だということである。その喜びを胸に、新たにご利益をいただける人が増えるようにと、ご信心を勧める行に踏み出すことが肝心で、そのような菩薩にならせてもらうことが御法の御意なのである。

育成の時にも、育成相手がご利益をいただいてホッとして終わってはいけない。育成相手には「あなたのように苦しんでいる人が周りにもいる」ということを教え、その人をご信心にて救うことを伝えなければならない。そうして周りに目を向け、心を配れる人づくり、菩薩づくりが教化、育成であり、佛立信心というのである。

ご指導、お折伏をお側で聞きながら、我々自身おおいに考えさせられた。菩薩づくり、人づくりという視点をもって普段からご信心ご奉公できているかどうか。ご信者にご利益をいただいてもらい、ホッとして終わりになっていないか。御法の御意にそうご奉公がさせていただけるよう改良しようと誓った。

最後に今回のご巡教日程において、御法のお計らいと講有上人の御徳をいただいて、総じて晴天のもとご奉公が進んだことを記して筆をおきたい。


(随行教務 山内良聴・池本良説 記)