ほんもんぶつりゅうしゅう
2020年05月01日
海外弘通だより 新型コロナウイルスに関する海外教区の報告と予防対策について
新型コロナウイルスは、まさに国境や人種の壁を越えて瞬く間に全世界へと感染を拡大し、本門佛立宗の全ての海外教区も甚大な影響を受けています。その報告を集約すると、感染者や死者が爆発的に増加する大混乱の中で、妙法のご加護を信じ、励まし合って苦難を乗り越えようとする佛立教講の姿がありました。
ここに一部をご紹介いたしますので、私たちの勇気や希望とさせていただきましょう。

「ブラジル教区」
政府の要請でスーパーと薬局、ガソリンスタンド以外は宗教施設も活動を停止。朝夕のお参詣も自粛せざるを得なくなり、インターネットやSNSでの視聴参詣を呼びかけています。
大変な事態ではありますが、高齢の女性信徒が家族のサポートでインターネット参詣を始め、体が不自由でお寺までなかなかお参りできなかったのに何度も御法門を聴聞でき、家族に法灯相続の機会まで与えていただいたと感激の声が届いたそうです。
住職のコレイア日友師は「本当に立正安国論の冒頭を思い起こさせられる現状です。み仏はもとより、三祖聖人、先師上人や日水上人のご苦労を偲ばせていただくのにすごい時です。これでご信心の覚悟を決めない人は、いつ決めるのと言いたいところです」と逆境から学び、改良、躍進する大事を述べられていました。

「韓国教区」
宗教施設で爆発的感染拡大が起きたことから行政命令によってお寺での集会や法要は禁止。自宅でしっかりご祈願するように指導しています。本堂では姜ご住職が3月1日から25日まで早期終息の百本祈願をされ、現在も終日の常題目口唱に励んでおられます。また、閉塞感も漂っているため、お年寄りのご信者を中心に巡回助行を行って励ましています。今のところ韓国のご信者の中での感染者は出ておりません。

「オーストラリア教区」(3月29日、山村ベイン光子さんからの報告より)
オーストラリアQLD組では、ロックダウンが発令されたため子供助行をキャンセルしましたが、同じ時間帯に自宅でお看経することを提案し、みんなで実践。現在は数名のご信者が百本祈願を発願されて、山村さんご家族も毎朝コロナウイルス早期終息のご祈願、そしてQLD組信徒の信心改良、信心増進、ご弘通ご奉公成就のご祈願を続けておられます。

「イタリア教区」
イタリアでは、毎日多くの死者が出る中、4月末までは家から250メートルを超えた外出が禁止され、食料品と薬局以外は閉店している状態です。もし違反すれば、数千ユーロの罰金が課せられ、さらに最大12年の懲役刑が課せられることもあるそうです。
ご信者たちは朝晩の決まった時間に一緒にお看経をし、インターネットで御法門を聴聞。また互いの悩みを聞く等の交流をして支え合っておられます。3月28日から4月28日まで毎日朝晩2回、お祖師さまの立教開宗報恩の特別口唱会を実施されています。
香風寺フィレンツェ別院のキアッフィ良誓師から次のようなメッセージが届きました。
「ご存知のように、ここイタリアの状況は深刻です。しかし私たち本門佛立宗(HBS)のメンバーは『まれに人身を得、たまたま仏法に遇へり』という非常に幸運な人びとです。昨日の夜から家を出るのは禁じられており、私たちは食べ物と薬を買う以外は外出を禁じられています。すべての店は閉店しており、食料品店と薬局だけが営業している状態です。買い物をする時はお互いに2メートルの間隔を空けて並ばなければなりません。そのために多くの時間を費やします。
すべてのイタリアの信徒は毎朝と毎晩同じ時間に異体同心でご祈願しております。私は毎日別院に行って、御本尊と御題目のご信心について話をし、それをアイフォンで録音してみんなのご信心をサポートしています。そして、みんなが御法門を聴聞できるようにグーグルドライブを利用して共有しています。
多くのメンバーは本門佛立宗の御本尊に感謝しています。私は毎日メールやワッツアップで、異体同心のお助行やグーグルドライブでの講義に励まされているという感激のメッセージを受け取っています。また、私は助言を求める必要があるメンバーとはビデオ通話で話をするようにしています。
がんばります。フィレンツェでは、学徒のアントニア・妙薫師とアンドレア・ゴリさんが私を助け、多くのメンバーが私を励まし、ローマのマキちゃんは強いご信心と愛情を持って妹のように私を支えてくれています。
ティツィアーノは今のところ元気ですが、彼は耳鼻咽喉科医として働くために毎日病院に行かなければなりません。彼にとっても私にとっても危険なことだと分かっていますが、御本尊のご守護があると確信しています。
病気になるかどうか分かりませんが、御法様を最後までお弘めさせていただいて、1人でも多くの方に御題目口唱をお勧めすることができるよう願っています。
フィレンツェは砂漠のようです。そして夢のような静寂に包まれています。しかし、私の御題目の声は街中に響いています。
どうか日本のご信者の皆さまにお伝えください。遠く離れたわずかなイタリア本門佛立宗のメンバーですが、心は皆さまと一緒にあると信じています。

どうか、み仏の力と御題目のお力により、私たちは一つとなって、全ての人の命を守り、速やかにこの恐ろしい伝染病を終息させますように。
私は信じています。
『このまんだら(曼荼羅)を身にたもちぬれば、王を武士のまもる(守)がごとく、子をおやのあいするがごとく、いを(魚)の水をたのむがごとく、草木のあめをねがうがごとく、とりの木をたのむがごとく、一切の仏神等のあつまりまもり、昼夜にかげのごとくまもらせ給う法にてそうろう。よくよく御信用あるべし』
(妙心尼御前御返事 佛立宗版御妙判集・3巻748頁)」

「スリランカ教区」
スリランカはイタリアより早い速度で感染者が増えたことから食料品店や薬局であっても外出が禁止されました。4月25日に予定されていた国会議員選挙も延期。政府と一部民間企業が必要不可欠なものだけを各家庭の玄関先まで配達していますが、供給は十分ではありません。
WhatsAppでグループを作り、「新型コロナウイルス早期終息、感染者の早期回復」のための24時間リレー口唱会を行っています。ディリーパ良潤師からの報告には「この苦しい時期、一人じゃない。皆でお計らいをいただいて乗り越えようと、皆の気持ちを高めるためにインターネット上にご信者同士が自宅の御宝前や自分のお看経の姿を載せています。皆さん、すごく喜んでご奉公させていただいております」とありました。
また、イタリアの状況をスリランカ信徒に紹介し、ご祈願を開始して直接イタリアと連絡を取り、励まし合っていることもご報告いただきました。

「インド教区」
3月22日、インド全土に午前7時から午後9時まで14時間の外出禁止令が発布されました。親会場のあるビハール州でも感染者が出て、法華経の説かれた霊鷲山の近くへ迫ってきています。現在インドでご奉公中のカドゥカ清地師の報告には「この伝染病の終息後、私は私を含めた人類が、これまでの在り方を変え、より自然に優しい生き方へ向かうと信じています」「私たちはみ仏やお祖師さまのご精神に少しでも近づけるように、決して落ち込むことなく、十分な安全対策を行いながらご弘通ご奉公に励ませていただくべきです」と語られていました。

「ネパール教区」
3月末、政府は首都カトマンズを封鎖し、これを全国に広げました。ダハール清天師は一遍でも多く御題目をお唱えし、お供水をたくさんいただくように勧め、毎朝お看経のインターネット配信を開始しました。ダハール師は「私はより良い未来のために、この尊い教えと平和題目塔を、死ぬまでお守り申し上げます」と語っています。

「フィリピン教区」
マニラ市内は通院や食料の購入など生活に必要な最小限の移動以外、すべて移動は禁止。公共交通機関も停止状態のため経済活動も事実上停止し、多くの人はテレワークなどとなっています。ご信者の中には、仕事ができず深刻な状況の方もいるため、真っ先に状況が深刻なお宅への支援を進めておられます。
また、日本の朝参詣に合わせて各自自宅または別院でのお看経を個別にお勧めされています。それぞれに過酷な現状に怯まず、より一層ご信心を研ぎ澄ましています。

予防対策の徹底
私たちもこの緊急事態の時こそ真の信心に目覚め、決定させていただかなければなりません。同時に「お看経しておけば大丈夫」という考えではなく、予防対策をしっかりと行ってご奉公させていただくことが大切です。無謀運転をしながら交通安全のご利益を願うのは愚かなことで、「感染しない、感染させない」ことを心掛け、「彼も助かり、我も助かる」対策を徹底する努力が大事です。
爆発的感染拡大の中にあった海外教区から多くのことを学ぶことができます。手洗い、消毒、マスクの着用を徹底し、不要不急な外出は控える。お寺としても「3密」の環境を避け、場合によっては、お参詣、御講、お助行などの一時休止、あるいはやり方を変えるなど、生命、ご弘通を第一に考えた対策が必要です。まずは命がなければ、ご弘通のお役には立てません。
予防対策を徹底しつつ、今こそ、私たちは心を一つに、この病の早期終息と世界の恒久平和、一天四海皆帰妙法を御宝前に祈りましょう。
ありがとうございます。