ほんもんぶつりゅうしゅう
2021年02月01日
海外弘通だより~コロナ禍のご弘通
昨令和2年、新型コロナウイルスの世界的感染拡大と各国が敷いた渡航禁止措置によって、ほとんど全ての海外教区で出張や団参の中止を余儀なくされました。
しかし、だからこそ今日までのご奉公の真価が問われていると心得て、それぞれ連携しながらご奉公を進めております。
約十数年前、それまで日本を中心に進められていた海外弘通を少しずつ発展させ、現地の僧侶の誕生と育成、海外教区間の交流促進が弘通方針に盛り込まれるようになりました。
その後、すでに現地僧侶が活躍していたブラジル教区や韓国教区を目標に、イタリア教区やスリランカ教区、台湾教区などでネイティブの佛立教務が次々と誕生してゆきました。
また、平成24年8月、門祖550回御遠諱のプレ大会として行われた第4回青少年の一座では、海外教区から青少年の代表者が本山に参詣し、宗門が力強く後押しをして教区間の国際交流が進められました。ちょうど若者の間でSNSが使われるようになったタイミングで、これを勝縁として今でも国内外の青少年信徒がつながりました。すでに各教区の中堅信徒となった彼らはコロナ禍の現在でも深い絆で結ばれています。
新型コロナウイルスの感染拡大により、日本からの出張ご奉公が不可能となったことで、現地の教講はそれぞれ今まで教えていただいてきたことを自ら実践し、ご奉公を重ねております。すでに何度かご披露してきたとおり、インターネットを活用したオンライン参詣、オンラインお助行などを通じて、ご信心の灯火が弱まったり、消えたりすることのないよう励まし合っておられます。
同時に、海外教区がそれぞれ有機的に結びついてご奉公を展開することを目標としてきましたが、コロナ禍によってこれも進展いたしました。オンラインで激励し合う輪の中には国境も言葉の壁もなく、教区の垣根を越えてご信心を高め合っています。
コロナ禍の直前、日本と海外教区を結ぶ佛立アンバサダーのご奉公が1年目を終え、大変な反響をいただきました。2年目となる令和2年度も海外部には奉修導師の依頼や布教区での講演会の依頼が多数届いておりました。残念ながら出入国の禁止や制限措置により佛立アンバサダーも中止となりましたが、こちらもオンラインでの御法門や講演会に切り替えてご奉公させていただくことができ、同じく大きな反響を頂戴しました。
本年も佛立アンバサダーには5月と9月に予定を組んでいただきましたが、実現の可否はウイルスの状況によります。しかし、いずれにしても様々な形態でご奉公させていただきたいと思います。
令和3年も台湾教区、韓国教区、米国教区ハワイ別院と団参が予定されています。しかし、この実現もコロナウイルスの感染状況に左右されてしまいます。目下、情勢を注視しながら準備を進めております。
世界同時の大難は、ご信心の改良とご奉公の成就のための試練と受け止めています。地球上で誰一人この災禍を逃れる者はありません。感染者が出ていない国も、一刻の猶予も許されない状況です。だからこそ、これまでのご信心、ご奉公の真価が問われているのであり、特に海外弘通はここからが本当のご奉公であると心得ています。まずは海外弘通委員会を中心に教区長が連携を深めています。
1月、スリランカのディリーパ良潤師から報告が届きました。スリランカも第2波に襲われ、連日400名ほどの感染者が出ていますが、次のような力強い報告でした。

「私たちはコロナ第2波の中でも日曜日の御講と満月日の2時間の口唱会をさせていただいております。コロンボと同時にパードゥッカ村組センターでも同じく日曜日と満月の口唱会させていただいております。また、毎日夜7時から8時に行っている『異体同心口唱運動』を続けております。
オンラインでのご奉公が多くなっているため、昨年中のコロナ禍中に語られたスリランカ信徒のご利益談をビデオにまとめ、日本語と英語で制作しようと企画を練っております。1本約10分で10名のお話をビデオにまとめてリリースしようと考えております。
本堂の入り口にある小さな植木に鳥が巣を作李、いま3羽の小鳥が産まれています。コロナ禍ではありますが、希望はあります。」

本年度も海外弘通へのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。