ほんもんぶつりゅうしゅう
2016年01月12日
ネパール大地震 HBS5カ国合同チームとして第1回支援活動を実施(4)
【8月19日】

 朝、午前6時ごろよりまた雨が降り始める。大量の物資もある中、果たして先に進むことができるのか、予断を許さぬ状況で、ひたすらにお看経をいただく。

午前10時ごろ雨がやみ、村人が集まってくれているとの一報が入る。土砂崩れの現場まで進むと、20名前後の村人たちが、土砂撤去の作業を始めていた。私たちもシャベルなどの道具をお借りして、その作業に加わる。当初の予定通り、約2時間くらいで道が開通し、感激でいっぱいであった。しぶるトラックもなんとか説得し、村へと動き始める。車で行ける、との前情報であったが、山道はさらにがたがたとなり、岩場はすべりやすく、途中何度も降りて車を押した。夜間の徒歩よりは断然楽だが、ここもなかなか難儀をしながらの道のりとなった。この道中、ビノッド氏の足の親指に誤って大きな石が落ち、骨折を疑うほどの負傷をしたが、氏はその後もふんばって、徒歩移動も含めた全プログラムに参加してくれた。

 午後3時ごろ、村に到着。テラス状の広めの土地に、学校の校舎がおかれ、子どもたちが総出で待ってくれていた。ここでまた雨が降り始めたが、軒下に御本尊をおかけし、子どもたちと御題目を唱える。すると雨があがり、晴れ間がのぞく。その晴れ間のもと文房具などを代表の生徒に手わたし、みんなで楽しく写真を撮った。

 その後、村の中心部へ移動。坂道を歩くこと30分ほど。ここの子どもたちは、毎日このような道のりを学校まで往復しているのか、としみじみ思う。村に着き、人が集まるのを待つ間、食事をいただいて、その後、村の一番高いところにある広場へみんなでのぼり、結縁のセッション。再び降り出した雨の中であったが、ともに土砂を取り除く作業をした顔ぶれも見え、温かい雰囲気につつまれた。

 村を出て、車に乗り込み出発をしたが、帰りは上り坂であったため、行き以上に難儀をした。物資を下ろし、軽くなったはずだが、何度も車をおり、周囲の石を集めてタイヤにかませたり、みんなで押したりしながら、進む。みんなで開通させた土砂崩れの現場、また舗装路に出たときには歓声が上がった。

 夜はこの日のメンバーで打ち上げ会。さまざまな出来事にもかかわらず、予定した行程をすべて終えることができて、みんな上機嫌で、強い連帯感で結ばれていた。

【8月20日】

 いよいよネパール出発の日。この日の朝、今回のさまざまのプログラムを通してご信心に触れてきたネパール人4人に、コレイア清行師が話をし、ご信心を勧め、4人は御本尊拝受願いに名前を記し、お教化となる。ディリーパ良潤師とアサンカ君のスリランカチームには航空券の関係で滞在するもう2日間を使って、さらにご信心のことを伝えていただく。ホテルで分かれ、日本チームはシェーカーと共に空港に向かう。彼も物資の調達などはもとより、初めての山歩きをよく頑張った6日間であった。いろいろと話し相手になることも多かったが、最後、満足そうな様子であった。(了)