ほんもんぶつりゅうしゅう
2021年05月01日
海外弘通だより  苦しい時こそご信心の再始動の時 オンライン朝参詣も倍増しご利益に
昨年のこの時期、ちょうど世界中で有名なカーニバルが終わった頃、新型コロナウイルスによる自粛宣言がブラジル中に発令されました。と同時に、全ブラジルの佛立寺院がオンライン朝参詣を開始し、ご信者さんも自宅からオンライン参詣されるようになりました。
日本の文化では、頭を下げれば離れていても丁寧にご挨拶ができますが、ブラジルでは肌と肌が触れ合わなければ「避けられている」と感じるほど、触れ合いをとても大切にしています。握手、キスやハグもこの国の習慣であり、それによってお互いの体調や具合も感じ取ることができますが、現在はそれも難しくなりました。
ただ、今まで丸1日一緒に過ごすことのなかった家族が、毎日家で1日中過ごすようになり、今まで仕事や学校の都合で自宅でのお看経をまともにしなかった方々が、家族そろって最初から最後までオンライン参詣をされるようになりました。
「いままで5分しかお看経をしていませんでしたが、今は2時間、朝参詣しています」、「1人なら15分のお看経しかできませんでしたが、オンライン参詣なら1時間でも2時間でも自宅でお看経ができるようになりました」などの声が少なくありません。
今までお参詣が難しかった遠方のご信者さんや世界中の方々も、インターネットを通じて一緒にお参詣できるようになりました。また、環境が整っていなかったお宅も迷わずすぐにスマホやタブレットを購入したり、自宅のインターネット環境を改善したりしました。
「体が離れていても、みんなと一緒にお看経ができれば、御宝前がみんなを繋いでくださるのだ」と多くの方々が感得されたのでしょう。
ブラジルでは感染拡大の当初から、ウイルス感染を信じない人々、触れ合いを自粛しない、マスクを付けない人々もたくさんいて、感染状況は悪化し続けています。今週の火曜日(3月23日)には新型コロナウイルスによる1日の死亡者が3千人を超えました。
政治、経済、医療にも大きな問題が目立つようになり、その影響もあって、うつ病、アルコール依存症、自殺、家庭内暴力も増加しています。
ご信者さんや宗外の方からも「助けてほしい」というお寺への連絡が増え、オンライン朝参詣の参詣者は倍増、オンラインによるお助行や御講も増えました。そのようなおすがりの気持ち、信心増進のお陰で、家庭円満のご利益、就職成就のご利益、当病平癒のご利益などによる御礼言上があがり続けています。
また、モジダスクルゼスという街にある隆昌寺は、このような状況にあって昨年10月末には弘通四誓願をすべて成就し、全ブラジル寺院の手本になっています。
ブラジルはいま一番苦しい時ですが、そのいまこそ、信心改良・決定しなければならない、ご信心の再始動の時です。(蓮徳寺住職 吉川淳省)