2017年04月01日

東日本大震災 あれから6年 7回忌を厳修 東北南部・東北北部布教区で特命巡教として教講多数が参詣

去る3月11日、第7支庁東北南部布教区・耀護寺(宮城県石巻市)にて、特命巡教として東日本大震災第7回忌御正当法要を、宗務総長・木村日覚師ご唱導のもと、奉修させていただきました。
 平成23年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災は、死者15,894名、行方不明者は未だ2,562名を数えます。建物の全壊・半壊は公式に確認されている数字として400,326戸、岩手・宮城・福島3県では現在でも33,748世帯、71,113名が仮設住宅での生活を余儀なくされております。
 当山・耀護寺が所在する石巻市は東日本大震災の死傷者の数が全国の市区町村で最も多く3,500名を超え、行方不明者は425名です。6名の信徒が津波でお亡くなりになられ、その中の1名は未だご遺体が発見されずにおります。
 人類史上類をみない甚大な被害は6年が経過した現在でも大きな爪痕を残しています。更に福島第一原発の放射能被害は収まることを知らず、私たちが想像もできない深刻な現状、「復興」の見通しが立たないような地域も数多くあります。
 しかし大変残念なことに時間の経過と共に震災の報道は徐々に風化されてしまっているように感じます。「大震災から6年が経過したのだから随分と落ち着いているだろう。復興も進んでいるだろう。何を今更…」という率直な声を耳にします。
 実際、震災後、すぐに復旧した地域も沢山あるのですが、未だに当時のまま放置されているような場所も沢山存在します。ただし、どんなに立派な建物が建てられても、高い防波堤が作られても、それが復旧=復興ではない地域も多く存在します。今でも賑やかな町並みに隠されるように仮設住宅が沢山建ち並んでおります。加えて、孤独死、孤立化、貧困、いじめ、差別など震災に付随した社会的な問題も無視することはできません。
 同じ地域にいても、人それぞれの立場や境遇、状況によって「復興」の定義や見方、感じ方が異なっております。当然、外から見る「復興」と中から見る「復興」も異なるでしょう。 
本年は阪神淡路大震災の第23回忌、熊本地震の第1周忌という自然災害に縁の深い年でもあります。年々、地震や水害など、自然災害による被害は、増加拡大しているように感じます。私たちはこうした自然災害を決して「対岸の火事」ではないと知りつつ、つい自分たちの地域は大丈夫だろうと考えるものです。
 大災害の年忌法要を通して、改めてそれぞれが当時の状況を振り返らせていただくと共に、全国各地で今後起こりえるであろう自然災害に対する備え、防災意識を高めるキッカケとさせていただければと思います。



ー第7回忌を厳修する 管内寺院・有縁無縁の参詣いただき 各方面からの多大な支援に改めて感謝
                        東北南部布教区の7回忌交流会や現地回向も行うー

さて当山では第7回忌法要の前日3月10日、耀護寺信徒会館を会場として午後4時より交流会を開催いたしました。まずはじめに参加者一同で、3月11日当日の石巻市内の津波の映像を観て、改めて震災当時の悲惨な状況が思い出されました。
 耀護寺局長・笠原信三氏の開会あいさつの後、第7支庁東北南部布教区より耀護寺、妙護寺(仙台市)、清護寺(気仙沼市)、遠泉寺(郡山市)、妙運寺(いわき市)など被災地域でご奉公させていただいている教講の言葉。そしてプロジェクト7により耀護寺と交流支援を継続して下さっている第9支庁四国布教区より高松妙泉寺、毎年定期的に支援助行を続けておられる第10支庁北九州布教区より光薫寺からご来寺いただいた教講の言葉、今回初めて東北へ足を運ばれた第8支庁青年会の言葉、ブラジルから来られたコレイア日友師のあたたかいお言葉など、宗内教講様々な立場から率直な声を聴かせていただくことができました。
 また当山が日頃親交を重ねている山下二丁目町内会役員5名、宗門各寺院の復興市等で使用していただいている被災二商店(青山わかめ店、焙煎珈琲カフェトレ)をご招待させていただき、宗外の立場からも、客観的に震災の「振り返り」ができたように思います。
 今回の交流会は東日本大震災より六年を迎えるにあたって、感じたこと、体験したこと、学ばせていただいたこと、そしてこれからのことなどを参加者同士それぞれの地域や立場で「共有」させていただくことを目的に開催させていただきました。交流会は宗務総長をはじめ御講師十四師、信徒四十六名、宗外七名合計六十七名の参加でした。
 翌三月十一日は午前九時より、門脇地区南浜町「がんばろう石巻」の看板前の公共祭壇へ御本尊を御安置し、現地回向法要を百名を超える参詣者のもと奉修させていただきました。法要後「みなみ浜つなぐ館」を見学して、市職員より震災当時の生々しい話を伺うことができました。その後、当山信徒家族が被災された門脇小学校前を見学して、未だ震災の傷跡が残る石巻市内を巡回しました。
 そして午前十時三十分より、特命巡教・東日本大震災第七回忌御正当法要が厳修されました。第四支庁顕証寺、第五支庁遠妙寺、乗泉寺、立正寺、第八支庁信廣寺、信受寺、第九支庁妙泉寺、第十支庁光薫寺、第七支庁東北南部布教区各寺院、御講師十八師、信徒百六十名を超えるお参詣を頂戴いたしました。本堂内には参詣者一同の精一杯の御題目口唱の音声が大きく響きわたり、心より随喜させていただきました。
 法要後、東北南部布教区長代行・秋山現信師、耀護寺住職・近藤泉国師より「震災第七回忌を迎えるにあたって」のご挨拶をいただきました。
 続いて、宗務総長より講有上人から賜りました「御諭告」をご拝読いただきました。法要の結びに宗務総長より「苦しみの海にしづむと見えつるも 御法の浪にうかぶ諸人」との御教歌で御法門を聴聞し、参詣者一同震災復興に向けてご弘通ご奉公へ思いを一つにさせていただきました。
 最後にこの度の東日本第七回忌法要に際しまして、全国寺院の皆様より志深いご奉納いただきました四千四百本を超える慰霊御塔婆(水溶性の紙塔婆)は法要祭壇へ奉呈し、法要後に午後二時四十六分にあわせて耀護寺教講にてお看経をさせていただきながら、一本一本、石巻の港より太平洋の海へと手向けさせていただきました。紙面をお借りして深くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 今後も東日本一円の震災復興へ向けて、皆さまの復興支援のお志にお報いできますように、微力ではありますが、心を尽くしてご奉公させていただく所存でございます。また地域社会や市区町村との繋がりや信頼関係を作っていくことも当山の大切な課題です。
 当山寺内信徒の信行相続促進、役中後継者養成、世代交代など山積している問題を謙虚に受け止め、日常信行の見直し洗い直しを継続して推進し、教講異体同心でご弘通のお役に立てさせていただけるよう精進いたします。 
(耀護寺所属・近藤教要拝)