ほんもんぶつりゅうしゅう
2021年01月01日
創立40周年記念事業として 乗泉寺新座別院で開堂式を奉修 新本堂を建立し4座にわたって
昨年10月17日、18日の両日、乗泉寺(住職永江日盡師)新座別院では、開堂式を計四座にわたり奉修させていただきました。
当初は4月26日と10月18日に分け、本寺乗泉寺、世田谷別院等から各座100名のお参詣をいただく予定でしたが、新型コロナの影響で4月の開堂式を延期、10月に2日間続けての奉修とし、参詣人数を各座100名から50名以下に減らしました。入り口では検温、消毒を行い、参詣者にはマスクの着用を徹底していただきました。
1日目は1座目を常信寺・常法寺住職・横谷日熾師奉修のもと33名のお参詣、2座目を信行寺住職・指田日行師奉修のもと34名(信行寺11名含む)のお参詣をいただきました。2日目は1座目を法正寺住職・澤田日義師奉修のもと46名(法正寺5名含む)のお参詣、2座目は信照寺住職・相馬日育師奉修のもと36名のお参詣をいただきました。
両日とも前例のないコロナ渦での開堂式でしたが大きな事故もなく、奉修導師はじめ出座の御講師方、参詣者、ご奉公者全員が「ご奉公成就、身体健全」のお計らいをいただき無事に奉修させていただくことができました。
また各座の奉修導師は以前、新座別院で受け持ち講師としてご奉公なされた御導師方でしたので、新座別院信徒は昔のことを思い出し、懐かしみながら思い出に残るご奉公をさせていただけたと喜んでおります。

新座別院40年の歴史

ここで簡単ではございますが、乗泉寺新座別院の歴史をご披露させていただきます。
昭和30年頃、当時の田無連合(現11ブロック)が現在の新座別院周辺地域にあり、乗泉寺まで長距離のお参詣を続けておりましたが、連合内の田無教区の有志者が、「大切な朝参詣を便利の良い場所で多くの方がお参りでき、ご奉公しやすい体制をあみ出したい」と具体案を練って法務所設立の実現へと努力を積み重ねたことがはじまりです。
その頃、乗泉寺では日晨上人を中心に、この実情を察知せられ、法務所設立計画を立てられました。法務所設立の実現に向けて地元信徒は、ご祈願成就とお教化に熱烈な思いで気張られました。また担当のお教務も本寺の方針に従い、何としても念願が叶えられるよう激励につとめられ、さらには発起人一同も信行の「きりかえ」を実践し日晨上人のご構想に応えるため着々と準備を整えました。
長年の思いが具体的に実現するきっかけとなったのが昭和52年、山村泉光師が担当お教務として着任するにあたり、法務所の設立を願い出ていた田無連合の信心前が新しい道場を護持し、ご弘通発展に寄与できるか確認するよう、日晨上人よりご指示を受けたことです。
その年は山村泉光師を先頭に地元信徒が一丸となって、朝参詣週間を地元信徒宅で奉修するなど、様々なご奉公を実践された結果、泉光師が担当を替わられる直前の12月に、日晨上人より新会場設立を進めるようご指示をいただきました。
翌昭和53年、日晨上人のご指示、さらには山村泉光師より親会場設立のご有志をいただき、教講一体となり血のにじむようなご奉公とご有志により、小さいながら土地と建物を購入し、新会場を設立、御本尊を奉安しました。昭和53年12月18日のことでした。
そこで本宗へ別院設立の承認申請を行い、昭和54年1月29日付で佛立第17世講有日養上人にご承認をいただきました。この時が正式な乗泉寺新座別院設立の日となります。当時の規模は境内地62坪、建物延べ50坪(2階建て)でありました。
この年、宗門では昭和56年にお迎えする高祖日蓮大士700回御遠諱報恩ご奉公が本格的に始まり、乗泉寺はあらゆるご奉公を見直すべく「きりかえ運動」を推進しました。その中で首都圏西北部のご弘通の拠点を作るべく新座別院は誕生しました。
その後、昭和55年、昭和57年、平成元年と隣接土地、建物を購入し、境内地も150坪となり寺勢を一段と高め、ご弘通も発展しました。
平成4年12月には近代的な新本堂の建立を果たしました。以来、新本堂を拠点とし、ご奉公をさせていただきましたが、れんげまつりや敬老会等を行う際には手狭なため、本堂にブルーシートを敷いて開催するという状況でした。
そこで平成20年、新座別院創建30周年記念事業として増改築を行い、教務師の居住環境の改善とあわせて、多目的ホールを増設。諸行事はもちろんのこと、別院で葬儀を営めるようになり地元信徒も一安心しました。
ところが別院周辺地域の人口は年々増加の一途をたどり、近隣の土地も畑から住宅地に移り変わり、諸行事を行う際はご近所に配慮して行いましたが、それでも「うるさい」と警察に通報されることもしばしばありました。また、駐車場不足の問題は以前からの大きな課題でした。
そんな中、平成25年に当時の代務師と地主が懇意になったのがきっかけとなり、先住・川口日智上人、責任役員の御導師方、事務局の全面的なバックアップをいただき、翌平成26年に線路沿いの300坪の土地を取得できる大きなお計らいをいただきました。
すぐに駐車場として整備し、諸行事もそこで行えるようになりましたが、葬儀や音の問題は依然として残ったままでしたので、平成28年から別院内で「10年改良計画」の会議を始めました。
これは、ご弘通ご奉公を見直し、信徒数の増加と育成ご奉公の目標を定めて、今後の別院を活性化させて将来の本堂移転を見据えるための会議でした。その時点では、まず葬儀ができる程度の建物を建て、段階的に建て増して最終的に本堂をこの地に移転するという考えでした。
ところが大きな転機を迎えたのは平成28年7月に永江御導師が乗泉寺のご住職として着任されたことです。御導師から「段階的にではなく、一気にやらないと建立できません」とのご指導をいただき、平成29年には乗泉寺に委員会を設置していただき、新本堂建立に向けて本格的に進み出しました。
この状況に一番驚いたのは新座別院のご信者でした。10年、20年先の事と夢のような話が、具体的に数年先のこととして動き出したのです。それからは新本堂についての具体的な内容を、ご信者の意見も取り入れながら委員会で吟味して設計を進め、平成30年9月に工事を開始、翌年の令和元年6月に晴れて竣工の運びとなりました。

様々な工夫こらして

新本堂は基本的なところで、御導師のご意見が反映されています。妙益寺鹿島別院を参考に中庭を設置、片流れ屋根の本堂、土足とする事、本堂で葬儀を行う事で御供養場がゆったりと使えることなどです。特に中庭があることは、見た目や雰囲気の良さもありますが、新型コロナウイルスによる三密を防ぐための換気にも大変、役立っています。
また、将来的な負担を少なくして、災害時にも活用するというコンセプトのもとに、太陽光発電の導入も認めていただきました。その成果は1年間の電気料金が旧本堂の時と比べて半分にまで抑えられている事に現れました。井戸水も利用でき御宝前の御花の水替えも毎日、簡単にできるようになりました。
そして御宝前の御須弥壇は免振装置で地震から守られています。令和2年9月末、御宝前に吊り灯篭を設置し、新座別院の新本堂が完成いたしました。
最後になりますが、新本堂の建物には、佛立第8世講有日歓上人が御住いになられた信廣庵に使われていた、モダンなデザインの玄関の外灯や、廊下の照明器具、また、窓ガラスや建具の一部などが使われています。
日本第1のご弘通家と称された日歓上人の御心を少しでも多く受け継ぎ、新座別院教講一同は高祖ご降誕800年慶讃報恩ご奉公になお一層力強く気張らせていただく所存でございます。

【乗泉寺新座別院ご案内】
住所 〒352-0032 新座市新堀2-14-27
電話 042-491-5813
公共交通機関 西武池袋線「清瀬」駅より徒歩10分    

お近くに来られた際には是非、新座別院にお参りくださいませ。 合掌