2020年08月01日

佛立信心とSDGs⑧ 日常生活で取り組まることを念願

これまでの拙稿を通じて、SDGsが仏教との親和性に富むこと、佛立の寺院と教講にとって意義深いことはすでにご理解くださったことと思います。連載の結びにあたり、妙法弘通におけるSDGsの位置付けについて触れさせていただきます。
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SDGsの前身は2001年に策定された「Millennium DevelopmentGoals(ミレニアム開発目標=MSDGs(エム・ディ・ジー・ズ)」です。発展途上国を対象に、1990年代に主要な国際会議で採択された開発目標を統合した8項目を掲げていました。15年間の取り組みは一定の成果を上げましたが、未達成に終わった目標に加えて、新たな格差や環境問題などが表出しました。
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この経験から、それまでの世界が共有していた開発や発展の概念を大きく転換し、新たな定義付けの上に策定されたのがSDGsで、その理念が仏教と深い親和性を有するのです。換言すれば、豊かさを追求する長年の試行錯誤の末、人類がようやく見出した「本当の豊かさを生み出す方法」は、すでに3千年の昔、ブッダ・仏様によって説かれていた、ということです。
もちろん、仏教にはさらに深く尊い教えが説かれますから、SDGsとは比べようもありません。しかし、SDGsが多くの人びとと仏教との接点、その導入路と位置付けることができるのではないかと思うのです。
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今なお旧来の志向で開発を継続し、他の国や地域にまで進出している事実がある一方で、SDGsはそれに対抗する「もう一つの軸」としても捉えられるなど、世界の耳目が注がれています。このことは仏教を学び行ずる私たち、とりわけ、この世界(娑婆)を良くしようという法華経の教え、お祖師さまのご信心をいただく佛立教講にとって、弘通の手がかりに違いありません。
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当初設定されたSDGsのゴールまであと10年。この地球に生まれた生命の一つとして、万物の霊長と自負する人類の一人として、そして上行所伝の御題目をいただく佛立信者として、これからも引き続き、SDGsを学び、日々の生活において取り組んでくださることを念願して連載を終えさせていただきます。