ご利益体験談

ご回向の大事

第4支庁・鎌倉 顕証寺 林 由紀子さん
 
 平成8年に母が帰寂し、昨年の2月23日に同じ教区の萩原弘子さん、石崎みつさんの席をおかりし、無事ご住職に13回忌の御回向をしていただきました。当日は久し振りに会う姪や甥と共に亡き母の思い出話に花が咲き、笑うやら涙ぐむやらでした。皆で「きっとこの近くに立ってニコニコしながら私達の話を聞いていてくれているわね」と、云いながら家路につきました。
 
 その2日後です。私はその日どうしても田園都市線の走る多摩プラザという所に車で出かけなければなりませんでした。時計を見ると午後1時、まだあと15分ぐらい時間が有ると思い「そうだ!姉の所に13回忌のお礼を言っておこう」と急に電話をかける気になりました。しばらく姉と話していました。ところが私は姉と会話中、急に気を失ってしまったのでした。誰かが私の名前を呼ぶ声で目がさめ、気が付くと私は電話の下のカーペットにうつ伏せに倒れていました。側には姉と弟が不安そうに立っていました。
 
 私はびっくりして「なんでここに居るの?」と聞きました。姉が、電話中に突然私の声が聞えなくなったのと、電話は切れていないことを不安に思い、母がクモ膜下出血で突然倒れた事を思い出してすぐに弟のところに電話をしてくれたのでした。一目散に駆け付けてくれた弟は、すでに救急車を呼んでいてくれました。
 
 私は救急隊の方に「数か月前、聖マリアンナ医科大学付属病院で手術をしているので、そちらに行って欲しい」と頼みました。病院に着いて話しをしていますと、驚いたことに私の手術をしてくださった先生が入ってきたのです。先生もびっくりしているので私が3時間近く意識をなくしていたことを話しますと、直ぐにMRIで脳を検査できるように手配してくださったのでした。
 
 結果から云いますと、脳に出血の予兆もアルツハイマーの心配も無いとわかりました。私は今回この事で母に守られていたと思えてなりません。もし私が姉に電話をかけず車で直ぐ出掛けていたら、それは大事故を起こしていたでしょう。多摩プラザまでは、時速50キロくらいのスピードで運転出来るところも多いのです。私の身体はあやまっても、あやまってもすまない事態になっていたはずです。私は独りよがりかも知れませんが、母が私達兄弟皆で13回忌を営んでくれた事を喜び、そして助けてくれたのだと思えてなりません。以前、ご住職は御法門で「ご回向すると云う事は、その功徳はご先祖のためだけでなく、さらに回り廻ってこちらに返ってくるのですよ」とお話しくださいました。私は身をもって、そのご回向のありがたさを痛感させていただいたのでした。ありがとうございました。
 
平成21年1月発表