ご利益体験談

日々の感謝を御宝前に  米寿を迎え「瑞宝双光章」受賞の栄に浴する  第3支庁清津寺 杉尾哲

ありがとうございます。
 私は昭和6年、伊賀市に生まれ育ちました。祖父の代から佛立信徒でしたが、9歳の時、父が他界した後は母に連れられて妙典寺に参詣したことをよく記憶しています。
 その後、自身の勤務の都合で津市に転居、清津寺所属の信徒となりました。清津寺では事務局長を30年に亘り拝命して、宗門の数多くの記念法要にもお出会いできました。
 殊には悲願でありました平成4年の清津寺本堂開筵式には、当時の御講尊・梶本日裔上人の御親修を賜り、大勢のお参詣者のもと盛大に厳修させていただいたことは、御宝前の御冥加であり誠に随喜の極みで、生涯の想い出であります。
 併せてこの間、他県寺院参詣の機会も得、平成18年には本寺妙典寺・奥山日典御導師からも声をかけていただいたご縁で、岳泉寺(福島県二本松市)、慈念寺(岩手釜石市)、青松寺(青森市)に随伴参詣させていただき、これが契機となって同年、妙護寺(宮城県仙台市)、信遠寺(福島県会津若松市)、応護寺(秋田県横手市)など。
その後、平成23年には佐渡に日蓮大士の足跡をお偲びし歓要寺他ご霊跡を訪ね、平成30年信廣寺(北海道札幌市)、また松薫寺(大分市)、長薫寺(熊本市)、光薫寺(福岡師)、令和元年堅信寺(鳥取県米子市)など、いずれも妻と2人で無事参詣成就でき、多くのご利益を感得させていただきました。
 思うに単に御会式のみの参詣だけでは得られない、それぞれのお寺のご住職・ご内室から土地の歴史、文化、暮らしをはじめ、お寺の護持のご労苦をお聞きでき、更にはご挨拶もそこそこに災害への備え、防災の大切さを熱弁をふるわれるご住職や、また講務の皆様の心温まるおもてなし、遠路を駅まで見送りいただくなど、一つひとつが有難く学ぶことばかりで、中には曽て三重県に住んでいたと言われる方もあって、機会があれば行きたいと尽きない思い出話に別れが切ない気持ちで一杯でした。
 また、渡邊師(当山住職)とは本山で一緒にご奉公した仲だから宜しく言っていたと必ず伝えてほしい…と頼まれたり、後年、長薫寺でお会いしたお教務方と本山御会式の際、偶然再会できたこともあり、大きな喜びでした。他寺院参詣を通して、せっかく見聞できたことを自坊のご奉公に活かしたいと思っています。
 私は三重県職員として在職中、いくつかの職種を経験しましたが、その中でも中国河南省との友好提携業務は、最も大きな責務でした。昭和50年代は我が国と中国との交流事業が盛んになりつつあり、県省間の友好提携を競い合うような機運でした。
三重県でも友好提携先として河南省(中国内陸部黄河沿い、面積は三重県の約29倍、人口は約44倍)が候補にあり、ふさわしい相手か否かの事前調査を知事の特命として受けたのですが、当時は外国出張の例は庁内では少なく壮行会までして送り出される程でした。このため極度の緊張とストレスで一時耳が聞こえなくなる難聴に陥り本当に困りました。
 事前調査を含め、県内各界代表団、議会代表団など数度に亘る訪中を重ね、中国側からも同様に来県、相互に交流を経て友好提携の締結に向け機運を高め、昭和61年11月、三重県で調印式を挙行。永遠の友好の第1ページが開かれました。
 中国出張の都度、業務の円満成就、無事帰国を御宝前に祈願したことは言うまでもありません。
 事前調査から締結調印式まで双方トラブルもなく円滑、順調に実を結んだことで所管の外務省から高い評価を受けました。これも大きなご利益そのものと感謝しています。
 中国との交流事業の評価の証として、その翌年外務省からイギリス、フランス、スイスなどヨーロッパ主要国における日本人旅行者の実態を見てくるよう命を受けました。これは日本人が現地で旅券や金品を狙われる被害が多発していて、対策、啓発が必要であるとして。各大使館の便宜供与をいただきながら貴重な経験をすることができました。
 平成元年、三重県を退職後は四日市築港病院、県国際交流財団に在籍、短い期間でしたが数多くの勉強をさせていただきました。今は、地区老人会の活動や社会福祉協議会のいきいきサロン事業、高齢者の生きがいである居場所づくり事業の推進に関わり、地域社会の福祉向上に少しでも貢献することができればと思っています。
 お寺のご奉公は、主に財務、収発文書、郵便物の処理、お花の手入れなど妻と日々の参詣に努めています。
 この度、米寿を迎えた機会に昨年、内閣府から高齢者叙勲『瑞宝双光章』を授与される栄に浴し、津市長からも祝辞のメッセージをいただきました。
 三重県職員として自治行政に携わった功績、特に中国河南省との友好提携事業が認められたのではないかと感謝しています。新型コロナウイルス禍の中、使者の方から伝達いただきました。
 振り返って今日まで無事に過ごせたのは何よりも家族に支えられ、子や孫、ひ孫にも恵まれた環境が、生きる力になったと思っています。これらは、ひとえに御宝前のご加護の賜であり、中でも清津寺・渡辺日益ご住職のご教導、ご信者各位のご厚情のお陰と心から感謝しています。
 新型コロナウイルスは先の見えない状況ですが、本山からの文書にも注意して早期終息を祈願しつつ、当山草創以来の先師、先輩、先亡の方々のご労苦や心意気を今一度噛みしめ、子や孫の法灯相続を確かなものにして異体同心でご弘通ご奉公に努めたいと願っています。
 最近、腰椎圧迫骨折を患い身体機能が低下してご奉公が思うに任せず歯がゆい限りですが、1日も早く健康を取り戻し、気持ちを若く持って体の続く限りを合い言葉に夫婦二人三脚でご奉公に精進してまいります。
 妙典寺・奥山日典上人ご提唱スローガン『信心は喜び悦んで 役務ご奉公は楽しみ楽しんでさせていただきましょう!』こそ私の座右の銘です。 合掌